法人向け異文化研修@北タイの村 レポート<神姫バス様>

2025/5/19-21に神姫バス株式会社様のタイ研修のプログラムとして、タイ・チェンマイのワンパイ村で研修を実施いたしました。
通常のツアーを法人様の異文化研修用にアレンジした内容となっております。以下、レポートです。
研修の概要
- 実施日程:2025/19-21
- ご参加者:神姫バス株式会社様の社員4名
- 神姫バス株式会社様は、兵庫県姫路市に本社を置く地域密着型の交通事業者で、路線バス・高速バスの運行や観光事業、地域活性化にも取り組まれています。
- 研修先:チェンマイ県、メーアイ郡、タートン市、ワンパイ村に属す
神姫バス株式会社様のタイ研修の目的は以下の2つです。
①東南アジア・タイにおける新規ビジネス企画:新たなビジネスチャンスを発見し、顧客、顧客の課題、それに対する打ち手を現場の課題感を踏まえて企画・立案し、発表。
②グローバル人材育成:「グローバルな視点を持ち、組織や社会をリードできる人材の育成」を目指し、①創造性と発想力の刺激、②自立心と自己成長の促進、③異文化理解と視野の拡大を行う
上記を踏まえ、マニタビツアーには以下の目的を持って参加していただきました。
- バンコクでは味わえない、異文化環境を体験する
- 日本とは違う環境、常識を手放し、自由に発想する
- 村ならではの体験を通じて、タイの地方の課題・現状を学ぶ
ツアーのホスト・ナビゲーター
チャイさん

チャイさんは若い頃は都市に住んでいたことがあったものの、結婚を機にワンパイ村へ。村では文化体験を提供する仕事に加え、ゴミ処理プロジェクトや山火事防止活動のリーダーなども務め、村の中心人物。
「自分は村の文化の魅力や価値に気づいているが、若い世代は気づきにくい。外部の人が来ることによって、村の若者にも村の価値に気づいてほしい」との思いで文化活動に取り組みます
ジョームさん

ジョームさんは、チャイさんと共に村の文化伝承活動に尽力しています。ミャンマー出身で、20歳まで僧侶として修業をしていましたが、結婚を機に一般社会へ戻り、バンコクでタイ風クレープの屋台を営でいたこともあります。
現在は村に住み、タイ風クレープ屋台を営みながら、文化伝承や山火事防止活動に積極的に取り組んでいます。ユーモアにあふれ、作詞作曲をして歌を歌うほか、竹で鍋や楽器を作るサバイバル力も持ち合わせています。
マニタビツアーの様子
1日目:チェンライ到着
関空からバンコクを経由して、チェンライ空港へお越しいただきました。ホテルへチェックイン後、ブルーテンプルやチェンライナイトバザールを等のチェンマイ市内の散策しました。
その後、ホテルへ戻り、坂田から「チェンマイで企業に踏み切った理由、決断まで」のプレゼンをしました。午後11時前ごろ、解散です。
2日目: 村散歩、材料調達からの料理作り
朝食をとり、7:30過ぎにチェンライ市内のホテルを出発します。
9:30頃、ワンパイ村へ到着し、簡単な自己紹介・オリエンテーションを行ないました。
村散歩

最初のプログラムは村散歩です。村人の家や会議室、お寺などを訪問し、村人のリアルな暮らしを見ます。また、洪水被害の跡や村の横を流れる川の水質汚染などについても村人から説明を受け、タイの地方の社会課題にも触れます。

洪水の跡が残る場所で、ジョームさんから洪水が起きた際にどのような状況であったかを説明してもらいます。

お寺まで歩きます。夏空と緑のコントラストがとても美しいです。

お祭りで使われる楽器も試しに演奏してみます。
ランチ
チャイさんの家に戻り、昼食をいただきます。

昼食は豚ひき肉トマト野菜ディップ(ナムプリックオーン)やタイルー族の伝統料理で鶏肉を使ったスープ(トムミーガイ)でした。

自己紹介

昼食後は参加者とホスト双方の自己紹介を行います。参加者のみなさんにはタイ語で自己紹介ができるように宿題を出しており、タイ語で自己紹介をしてもらいました。
また、ホストが参加者の名前をタイ語で書く、参加者がホストたちの名前を日本語で書いた名札を作り、お互いの名前を呼びあえるようにしました。

市場で材料調達
今回の研修のメインイベントの1つでもある村の方との料理作り。目的は以下の通りです。
- ローカル市場や村人の庭を訪れ、タイの地方のリアルな暮らしを肌で感じる
- 日本と異なる環境において、現地の人とコミュニケーションを取るにはどのような方法が効果的かを体感する
まずは、料理作りに必要な材料を市場へ調達しに行きます。

市場では参加者の方に自力で購入していただくため、事前にタイ語の学習を行います。
市場へ向かいます。

皆さんやや苦戦されながらも、必要な材料を購入していただきました!

その後、マンゴー農園へも立ち寄ります。日本人が大好きなマンゴーがどのようにできているかを学びます。
村へ帰ります。
村人の庭からの食材調達
市場での調達のあとは、村の方の庭へ足を運び追加で材料を調達します。

北タイの地方に住む方は自分で庭を持っており、必要な分を必要なだけ育てます。これはプミポン国王の「足るを知る経済」の考えに基づいています。

唐辛子やパクチー、レモングラスなどを村の方からいただきました。

次は夜ごはんの際に使う竹紐も調達します。竹紐の竹は村の裏山から調達しており、お父さんがナイフを使って割いて紐を作っています。
夕食作り
村の方に作り方を教わりながら、料理を作ります。

今回は以下の3品を作りました。

パッタイ作りはワンパイ村近辺の中で最もおいしいパッタイの店主のゲーさんに来ていただきました。



ジョームさんからパッタイ作りの手の動かし方について指導が入ります
写真移りは微妙ですが、とてもおいしいパッタイが完成しました。
皆でおいしく料理を頂きました。

夕食後はお酒を片手にチャイさんとジョームさんと様々な話をしました。
タイの政府に対しての意見や村の過疎化・経済の現状など、ここでしか聞けない村人の生の声を聞くことができました。「この飲み会の時間が一番貴重な時間だったかもしれない」との声も参加者からありました。

明日の朝も早いので21時過ぎには解散し、各自床に就きました。
3日目: 山散策・料理作り
托鉢
3日目の朝は托鉢からスタートです。

托鉢は、僧侶が毎朝、信者から食事や生活必需品を受け取る仏教の伝統的な習慣です。信者は僧侶に施しをすることで「タンブン(徳を積む)」と考え、来世の幸福を願います。都市部でも見られ、仏教文化の1つです。
森散策・食事作り
朝食を食べた後は森へ向かいます。村人の「生きる知恵や技術」を間近で学びます。

森の中へ進んでいきます。
森の中で様々な食材を調達します。


バナナの芯や蕾など、普段は食べることのない野生の食材も調達します。

調達してきた食材を竹の鍋に突っ込み、煮込みます。

スプーンやコップ、箸なども自分たちで手を動かして作ってみます。簡単そうに見えますが自分でやってみるととても難しいです。

バナナの葉を引いて、竹のお皿を使ってみんなでいただきます。ごみが出ない村人の知恵も学びます。

食事後は村へ戻ります。
途中で、村の溜池を見学します。ワンパイ村では、食器洗いや洗濯、シャワーなどの生活用水として、主に森の水を利用しています。しかし、乾期になるとその水が枯渇してしまいます。
かつては、森の水がなくなった際に、村のすぐ横を流れるコック川の水を使用していました。しかし、ミャンマーでの採掘活動によってコック川の水が汚染され、生活用水として使えなくなってしまいました。
この問題を解決するため、村では雨期の間にできるだけ多くの森の水を蓄え、乾期にも使えるようにする必要がありました。そのため、村人たちは協力して溜池を作り、水を確保できるようにしました。これにより、乾期でも安全な水を利用できる環境づくりが進められています。
コック川の汚染に関する詳細記事はこちら👇
歩く途中では山火事の防止活動についてもチャイさんから説明をしてもらいます。

約30分程歩いてゴールです。
村出発
村へ帰った後はシャワーを浴びて各自帰りの準備をします。

短い滞在期間でしたが別れを惜しみながら、出発します。
異文化研修へのご参加、ありがとうございました!
参加者様の声
本研修にご参加いただいた皆様からの声を一部紹介します。
Hさん
① 村での暮らしの中で印象的だったことは何ですか?
村の人、市場の人、出会った方々皆さんがとても親切で、おもてなしの気持ちを感じました。大規模な洪水があったと聞きましたが、言われなければ分からないくらいまでに復旧していて、“村の人達で協力して村をより良くしていく、伝統文化を守っていく“という強い気持ちを感じました。
② 体験を通じて、自分中にどのような変化がありましたか?
小さな村にも関わらず、できることにチャレンジしていく、災害復旧だけでなく次の災害に備えるということに感銘を受けました。他人任せ、やる前にあきらめるのではなく、チャレンジし続けることの大切さを学びました。
③ 今後の生活や仕事で体験をどのように活かせそうですか?
困難であっても、まずやってみる、少しでも改善していくということを心掛けて仕事に取り組みます。現状に満足するのではなく、もっと良くするためにどうすればよいかを自分なりに考えます。
Hさん
① 村での暮らしの中で印象的だったことは何ですか?
市場で四苦八苦しながら自分でコミュニケーションをとり、買い物したこと
② 体験を通じて、自分中にどのような変化がありましたか?
初めての海外で不安もありましたが、その環境へ飛び込んでみると「意外となんとでもなる」という安心感や勇気を手に入れた気がします。
③ 今後の生活や仕事で体験をどのように活かせそうですか?
何事もそうですが、「まずはやってみる!」という心持ちを大事にしていこうと思いました。
タイの地方の村での異文化研修を希望される方は、以下お問い合わせよりお気軽にお問い合わせください。
貴社の課題や研修目的・テーマに合わせて、コンサル会社で人事・組織改革に従事した経験を持つ坂田が個別にプログラムをアレンジさせていただきます。
詳細はこちらの概要資料もどうぞ。