タイの少数民族、カレン族の基礎情報
タイで最も人口が多い少数民族、カレン族。
カレン族の村へ行くにあたり、知っておきたい基礎情報を紹介します。
本やインターネット、更にはカレン族の方から聞いた話をベースに本記事を書いています。正確な情報を心がけてはいますが、もし違う点があれば下段よりメッセージをいただけるとうれしいです。
カレン族の居住地・人口
「カレン族」はタイで最も人口の多い山岳民族で、カレン族の多くはタイとミャンマーの国境沿いのエリアに住んでいます。
チェンライ、チェンマイ、メーホンソン、ターク、ランプーン県を始めとした、タイ北部が主な居住地です。
現在タイには約35万人のカレン族が住んでおり、タイの山岳民族の中で最も人口が多い民族です。
タイにはカレンのグループが4つあります。
- 白カレン族:Skaw(スゴー)は自らをパカヨーと呼び、最大の人口を持つグループです。
- 黒カレン族:Pa OまたはTaungth(トンスー)はメーホンソーン県パーイ地区が主な居住エリアです。
- 赤カレン族:Bwe または Kayah はメーホンソン県ムアン地区に住んでいます。
- Pweカレン族:自らをPlong(フォン)と呼ぶ。主にメーホンソン県とチェンマイ県に住んでいます。
カレン族の歴史
カレン族はチベット・ビルマ族の一員です。ある歴史家は、カレン族の祖先はチベット東部に住んでいたと考えています。中国人は彼らを(Zhoh)周と呼びます。仏歴 207 年(西暦264年)に中国王朝に侵略され、長江沿いに移住して暮らし始めました。
カレン族はモンクメール(Mon Khmer時代)の後、南下しました。
在では、タイだけでなく、ミャンマー東部に多くのカレン族が住んでいます。ミャンマーにはカレン族独自のKayah(赤カレン州)とGokulae(白カレン州)もあります。
カレン族の言語
タイのチベット・ビルマ系カレン族が使用する最も一般的な言語は、スゴー語(Sgaw)とパオ語(Pwo)の 2 つの大きなグループに分けることができます。
カレン族がタイへ住み始めた時、彼らはタイ語を話さなかったようです。山岳民族の1つである、モン族はコミュニケーションをとるためにカレン語を学ばなければなりませんでした。
カレン族の農業
カレン族の経済は主に農業に基づいています。特徴は定住型ではなく、移住型農業であることです。一か所で農業を営わずに、別の場所に移動し、再度最初の戻ってきます。
稲作を中心に、野菜や唐辛子、豆、ゴマなどの作物も栽培します。また、近年はコーヒーを栽培しているカレン族の方もいます。
また、豚、鶏、牛、水牛、ゾウなどの動物も飼育しています。自身で食べることや販売するに加え、儀式で使用することもあります。水牛は稲作などの労働に使用されます。
カレン族の食事
カレン族の主食はお米です。私が知っているカレン族の方はもち米ではなく、ジャスミンライスを主食としています。彼らは伝統的な方法で稲作を行い、自分たちで収穫した米を使った料理が多く見られます。
また、野菜や山菜、キノコなど、地域の豊かな自然から得られる食材も頻繁に使われます。例えば、竹の子や山菜、森の果実などが食卓に並びます。
カレン族の宗教
カレンの宗教は大きく3つに別れます。①アニミズム(精霊信仰)、②キリスト教、③仏教です。
①アニミズム
カレン族は昔から精霊を信じています。幽霊や先祖を敬い、病気を引き起こす幽霊を恐れます。カレン族の中では、「大地と水の神」が重要な精霊とされていて、農作物の生産量に影響を与えると考えられています。
②キリスト教
カレン族の中にはキリスト教徒の人もいます。キリスト教の宣教師たちが活発に活動し、多くのカレン族をキリスト教徒へ改修させたことが理由です。キリスト教徒のカレン族の人は、毎週末に教会へ足を運びます。
③仏教
また、仏教徒となったカレン族の人もたくさんいます。タイの国民になる過程で仏教徒となる方もいました。
カレン族の村には、キリスト教徒と仏教徒が混在する村もたくさんあり、そこにアニミズムの崇拝と組み合わされます。
出所
※ 情報に誤りがないように気をつけてはおりますが、記載に誤りがございましたらご指摘いただけると幸いです。
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