ワンパイ村洪水募金のご報告:太陽光パネルと上水道の導入

みなさま、こんにちは。坂田です。今回はワンパイ村の洪水募金を活用して、村に太陽光パネルを活用した上水道の設置が完了しましたのでご報告いたします。

また、本件をご存じでない方もいらっしゃるかと思いますので、活動の経緯から支援内容について改めて整理いたします。

①ワンパイ村とは?

ワンパイ村はマニタビツアーでお世話になっている村の1つです。森と川に囲まれた自然豊かな環境で、タイルー族の方が190人ほど住んでいます。以下のツアーを実施しています。

【チェンマイ少数民族ツアー】タイ最北端でタイルー族の生活体験

チェンマイの少数民族タイルー族の村で、伝統文化と自然を体験するツアー!現地の暮らしを学び、文化交流を楽しめます。

②今回の活動の経緯

タイ北部で洪水発生

2024/9/11、タイ北部のチェンライやチェンマイ県北部で大規模な洪水が発生しました。洪水は、台風による大雨で川の水位が高まったことによる川の氾濫です。水が堤防を越え、大量の水が市街地や村へ流れ込みました。

倒壊した電柱
洪水により倒壊した電柱

ワンパイ村の隣にも川が流れており、氾濫してしまいました。川の氾濫により、川付近に住んでいる村人の家へ浸水も発生しました。

お世話になっているジョームさんの家も浸水してしまいました。避難する時に家財を外へ持ち出すことはできませんでした。

被害を受けたジョームさんの家
被害を受けたジョームさんの家

詳細記事はこちら

ワンパイ村の状況(2024/9/17)

こんにちは、坂田です。この度はワンパイ村をご支援いただきありがとうございます。昨日、ワンパイ村へ行って参りましたので状況を共有します。 目次状況のまとめ被害の状…

募金の呼びかけ

洪水被害を受け、「自分ができることは何か」を考えました。チャイさんやジョームさん家族を始めとしたワンパイ村の方には大変お世話になっており、ツアーパートナーを超えた存在です。

そこで、ワンパイ村ツアーへ来てくださった友人・知人の方へ募金を募ることにしました。

チェンマイでお世話になっている岡本麻里さんのご協力もあり、合計15名以上の方から、約6万バーツ(約27万円)の支援金が集まりました。

集まった支援金を最大限に活用するため、チャイさんをはじめとする村の方々と協議を重ねました。その結果、以下の支援が決定しました。

③太陽光パネル・追加上水道の導入理由

当初、募金は飲食料品や衣類などの緊急物資に充てる予定でしたが、緊急物資は近隣の自治体・お寺・民間からの支援で充足していました。

緊急物資以外の使い道を村の方へ相談すると、A.太陽光パネル、B.発電機、C.軽量な舟 が候補に挙がりました。議論を進め、「次回洪水が発生した時に活用でき、また、長期的な視点で村の課題解決に役立つもの」を支援金の使い道とすることにしました。検討を重ね、以下2つの理由により A. 太陽光パネルに決定しました。

平常時の上水道電源としての活用

ワンパイ村では、雨期~乾期中頃までは裏山の地下水を上水道として使用していますが、乾期後半になると地下水が減少するため、川の水を使用しています。

この際、発電機を稼働させる必要があり、電気代が村人の負担となっていました。また、川の水は地下水に比べ衛生面で劣ります。

これらの課題を解決するため、太陽光パネルを活用した地下水くみ上げシステムを導入し、電力とコストの削減、水質改善を目指しました。

緊急時の電力としての活用

今回の洪水では電柱が倒れ、村への電気供給が完全に止まりました。その結果、村人のスマートフォンは充電切れとなり、外部との連絡が取れない状態になってしまいました。

しかし、太陽光パネルがあれば洪水時でも電力を供給できるため、災害時の備えとして大きな効果が期待できます。

④プロジェクトの実施内容

太陽光パネル設置場所の検討・設計

まず、太陽光パネル設置場所を検討しました。候補は複数個所あったのですが、日当たりの良さと貯水場への距離を考慮し、以下図のように設置することに決定しました。

太陽光パネル・水源設置マップ
太陽光パネル・水源設置マップ

太陽光パネルの購入

モントリーさんの協力を得て、太陽光パネルの購入を進めました。スペックの確認や交渉をすべてサポートしていただき、とても助かりました。

太陽光パネル
太陽光パネル

設置場所の準備

足組となる鉄資材の購入・組み立て

村の方が鉄資材を購入し、自身で溶接して足組を作りました。

足場を作る村の方たち
足場を作る村の方たち

設置は業者さんへお願いすると想定していたので、驚きました。

太陽光パネルの足場
太陽光パネルの足場

見事な完成度です。

地下水源の掘削

清潔な水を確保するため、村の方が自身で10メートルの深さまで掘削しました。

水源の掘削
水源の掘削

スコップで掘っていきます。

自らの手で掘削
自らの手で掘削

関係者への説明資料作成

プロジェクトの詳細を地域行政(メーアイ郡やタートン市)の関係者に説明するため、資料を作成し報告を行いました。

パネルの設置・説明会

太陽光パネル設置・上水道工事

2025/1/6に村の方30人の協力で太陽光パネルと上水道の工事を完了しました。

地中に埋めるパイプの穴掘り
地中に埋めるパイプの穴掘り

パイプを設置
パイプを設置

太陽光による電気と水路から水を汲み上げるポンプを結ぶ電線も自分たちでつなぎました。

太陽光による電気と水路から水を汲み上げるポンプを繋ぐ
太陽光による電気と水路から水を汲み上げるポンプを繋ぐ

試運転をすると、上手く水が汲みあがりました。

水源からパイプへパイプへ開通
水源からパイプへ電力が開通

集合写真を撮影しました。

設置後に集合写真
設置後に集合写真

説明会の実施

村長やチャイさんとともに、プロジェクトの概要を村の方々に説明しました。

村の集会所にて実施
村の集会所にて実施

私からも日頃の感謝、本プロジェクトの実施背景、今後への想いをお話ししました。

説明する坂田
説明する坂田

村の多くの方から「ありがとう」と声をかけていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。

⑤ワンパイ村チャイさんからのメッセージ

今回の支援に対して、チャイさんからお礼のメッセージをいただきました。

⑥今回の活動で学んだこと

村の人の生きる力の素晴らしさ

ソーラーパネルを設置するにあたり、業者の方にお願いすると考えていましたが、村の方は金属の加工、水路の建設、電線の接続まですべて自分たちでやってしまいました。

日本では完全に分業体制が構築されていますが、タイの地方ではすべて自分たちでやってしまいます。村の方の技術に脱帽です。

動いてみることの大切さ

当初はソーラーパネルを設置するとは全く想像もせずに何かできればと思い、小さく募金を呼び掛けました。

「募金を集めても自分にできることはたかが知れている」と思い、どう進めるか分かりませんでしたが、進める中で多くの方が協力をしてくれて、良い成果を生むことができました。具体的なゴールや成果が見えなくても、まず動いてみることが大事だと改めて学びました。

1人でできることは限られていること

この規模の支援を実行することは、多くの方々の協力がなければ実現できませんでした。改めて、募金にご協力いただいた方に感謝です。

また、チャイさんが村の人に声を掛けて協力を募ってくれたので設置工事が実現しました、私が進め方を迷っている時に、モントリーさんがソーラーパネルを購入してくれたので前に進みました。そしてまりさんが裏から色々とサポートしてくれたのでなんとか完了できました。ありがとうございました。

ホストとゲストが長期的につながる旅の実現

マニタビのミッションとして「年を重ねても思い出す、一生記憶に残る異日常体験とホストとゲストが長期的につながる仕組みをつくる」があります。

ただ旅先に行って終わりの一回きりの関係ではなく、ホストとゲストが長期的に繋がる関係ができ、ミッション実現の一歩目が踏み出せたことは大変うれしく思います。

⑦終わりに

今回のプロジェクトを通して、多くの学びと気づきを得ることができました。

今後もワンパイ村とのつながりを大切にし、持続可能な取り組みを通じて、ゲストとホストが共に成長できる旅を追求していきます。

ご協力いただいた全ての方に、心より感謝申し上げます。

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