ヤティーさん村の保育所再建 ─ ご支援のお願い

2025年3月28日、ミャンマー中部で発生した大地震は、タイにも大きな影響を及ぼしました。バンコクでは高層ビルが揺れ、作業員が亡くなるというニュースを目にした方もいるかもしれません。

そして、タイ北部チェンマイにあるカレン族の村「フアイイーカン村」でも、人的被害はなかったものの、保育所が被災しました。

フアイイーカン村はチェンマイ市内から西へ約1時間半の自然豊かな村です。カレン族の方が約600人暮らしています。私は村に住むヤティーさんと一緒に現地の暮らし体験作りをしています。

ヤティーさんと私
ヤティーさんと私

村を散歩する中で調達した食材を調達して食べたり、

ヤティーさん宅での食事
ヤティーさん宅での食事

季節ならではの草木を使った染物、村の伝統的な健康療法であるハーブ足湯やサウナは村を訪れた人からも人気です。

自然素材を使った染色体験
自然素材を使った染色体験

そんなフアイイーカン村の保育所の建物が地震により深刻なダメージを受け、使用できなくなってしまう事態が発生しました。

地震によりヒビが入った建物
地震によりヒビが入った建物

村の子どもたち32名が通っていましたが、通園できる場所を失ってしまいました。ヤティーさんを中心に再建計画が進められていますが、資金が不足しています。

村の子どもたち
村の子どもたちとヤティーさん

私自身もお世話になっているこの村、そして村に遊びに行ったときに仲良くしてくれているヤティーさんの娘、ブーポーちゃんたちが通う保育所を守るために、みなさんのご支援をお願いしたいと思います。

1.被害の状況

今回、被害を受けたのは村の保育所です。保育所には、小学校に通う前の2~4歳の子どもたち32名が通っています。村の子供たちは平日保育所に通い、学び、遊んでいます。

村の保育所
村の保育所

しかし、地震の影響で保育所の壁や柱には大きなひびが入り、安全が確保できない状態になってしまいました。

床にもずれが生じています。

内部の壁は外部まで貫通するような亀裂が見つかっています。


ヤティーさんが地元政府の担当者に相談したところ、建て替えはするものの、工事開始は1〜2年後になるとの回答がありました。

さらに、新しい建物を建てるには地盤の改良や盛り土が必要で、完了時期も未定です。そのため、自治体からは当面、村から離れた他の村の保育所に通うようにと言われています。

しかし、距離のある村の保育所へ通うことは2〜4歳の幼児にとって大きな負担です。また、体調不良や事故があった場合に保護者がすぐに駆けつけられないというリスクもあります。バイクでの送り迎えも必要となり、仕事との両立が難しくなってしまいます。

そこで、ヤティーさんは自分たちで保育所の改修工事を進めています。

2.仮設保育所の建設

以前は村の会議室として使われていた建物を改修し、仮設の保育所として整備しています。

現在、村の人々が協力して、屋根・床の修繕、トイレや食事スペースの設置などを進めています。

5月中旬の新学期までに完成させることを目標に村の方がボランティアで働いています。

トイレと食堂の工事
トイレと食堂の工事をする村の方たち

毎朝、町内放送でその日の仕事内容を流し、手伝える方が集まって作業をしています。

自分たちでタイルを立てる村の方たち
自分たちで工事を進める村の方たち

そして、改修のために必要な資材の購入費が不足しています。扉や机、椅子など地震の被害が少なく使える資材は流用していますが、それでも以下の項目を整えるには20万バーツ(約90万円)が必要です。

募金の使い道
①建物本体の修繕・安全確保(約50,000THB)
  • 屋根の交換
  • 天井張り直し
②教室スペースの整備・環境向上(約100,000THB)
  • 壁と窓の設置
  • タイル張り(床)
  • 教室の仕切り
  • ドアの修理
  • トイレの設置
  • 食事スペースの設置
③子供たちの遊び場確保(約30,000THB)
  • 子供たちの遊び場整備
  • 遊具の購入
  • 柵や門などの外枠づくり
④建物を塗装するペンキ(約20,000~40,000THB)
⑤給水設備一式(確認中)
  • 流し台、タンク、ポンプなど
⑥労働費・人件費(確認中)
  • 村の職人による施工・設置・塗装作業代

①~④の工事をするために約20万バーツが必要です。また、⑤の整備や⑥として村の方の作業代も集めることができたらと考えています。

3.サポートの進め方

上記のように20万バーツが必要な状況で、ヤティーさん・私の友人であり世界各国で活動するシェフでもあるSwitraさん、そして1月に村にステイしており、神戸でカフェを営む前田さんとともに推進しています。

Switraさんと私は、初期費用の20万バーツを集めて建設を支援し、前田さんには神戸でのイベントなどを通じて継続的な支援を担っていただく予定です。

私の個人目標としては10万バーツ(約43万円)を集めたいと思います。ヤティーさんの村に来たことがある方、行きたいと言ってくださっている方、友人・知人へお声掛けをさせていただきます。

募金を頂いた方には進捗状況の報告やお礼のメッセージを送らせていただきます。

4.地域の文化伝承センターとしての役割

この仮設保育所は、単なる一時的な施設ではなく、村の文化交流センターの役割を果たす予定です。仮説の保育所を設立しますが、同時に自治体のサポートを活用した新校舎の建設も行います。

新校舎が設立されたタイミングで本建物は地域のコミュニティーセンターや、カレン族の文化伝承・交流スペースとしても活用される予定です。

フアイイーカン村には自然の恵みを最大限に活用した食、村の女性が1つ1つ丁寧に織る機織り、化学染料では表現できない鮮やかな草木染などここにしかない文化があります。

その文化をより多くの方に知って、学んで、体験してもらう拠点とすることもヤティーさんは企画しています。

子どもたちのためだけでなく、村の未来を支える大切な拠点になります。

5.被害の状況やヤティーさんからのメッセージ動画

今回のブログの詳細は以下動画にまとめております。被害の状況、村に保育所が必要な理由、改装をする村の集会所、募金の使用用途、ヤティーさんからのメッセージという構成になっています。

日本語字幕を入れていますので、ぜひご覧ください。

6.さいごに

今回、私がこの村の保育所再建に向けて募金を募る理由は3つあります。

村の人たちへの感謝と恩返し

私がこの村に初めて来たのは2023年の8月。ヤティーさん一家がまるで家族のように温かく迎えてくれました。カレン族が大切にしている暮らしの知恵や技術も、惜しみなく教えてくれます。

損得勘定なしに私を受け入れてくれた村やヤティーさん一家に対して私が少しでも役に立ちたい、また、友人やお客さんも村に迎え入れてくれている中で、「恩返しをしたい」という気持ちが自然と生まれました。

子どもたちの力になりたい

チェンマイの村に来るまでは、独身サラリーマンをしていたこともあり、小さな子どもと接する機会は多くありませんでした。しかし、村に来ることでヤティーさんの娘さんを始めとして子どもと遊ぶ機会が増えました。

村の子どもたち
村の子どもたち

自然に近い環境で自由奔放に遊ぶ姿は心配になることがありますが、「なおと、こっち!」と呼ばれて一緒に遊び、笑顔を見ると本当にかわいいなと思います。

敬礼ポーズにハマっているヤティーさん娘
敬礼ポーズにハマっているヤティーさん娘

彼らが安心して遊び、学べる環境を整えるお手伝いができたらと思います。

カレン族の文化の継承・普及

まずは「仮設保育所の再建」と「子どもたちの教育機会の確保」が今回の活動の第一目的です。

しかし、将来的には建物を、村のコミュニティセンター・文化交流拠点として活用していく構想もあります。

カレン族の人々が持つ自然と共に生きる知恵や手仕事の技術は、本当に素晴らしいものです。便利さを求めて都市に出るもいますが、村の良さを大事にして村に残って暮らしを守る人たちがいます。そんな文化や価値観が未来に引き継がれるサポートをしたいと思います。

ヤティーさん一家
ヤティーさん一家とスマミーさん

また、こうした村の文化に日本の方々が触れることで、自分の人生を見つめ直すきっかけになったり、新しい価値観を知る機会になったりすればいいなと思っています。


上記を踏まえ、募金を募らせていただきます。ご賛同いただける方は私や以下マニタビ公式LINEを通じてメッセージをいただけると幸いです。
振込先情報などをご連絡させていただきます。

友だち追加

他の村での取り組みとして、2024年9月に発生した洪水の際に集めた募金については以下記事にもまとめています。

ワンパイ村洪水募金のご報告:太陽光パネルと上水道の導入

チェンマイのワンパイ村で、洪水支援募金を活用して太陽光パネルと上水道を導入する支援プロジェクトの報告です。

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