カカオからチョコレートの作り方@タイ・チェンマイ

「カカオ」その名を聞くと多くの人が思い浮かべるのは、甘美で濃厚なチョコレート。
しかし、その原料となるカカオ豆がどのような植物から来るのかを皆さんはご存じでしょうか?
カカオの生産には多くの手間がかかり、カカオ豆の特性や品質は生産地によって大きく異なります。カカオ豆が最終的にチョコレートやココアへと姿を変える過程は、単なる農作物の加工を超えた、「魔法」のような変化です。
今回はカカオ豆からどうやって私たちが普段目にしているチョコレートができるかを紹介していきます。
目次
カカオの基礎知識
カカオの学名は「テオブロマ カカオ リンネ」といい、アオイ科に属する植物です。木の高さは6~7mにもなり、3~4年目から実をつけ始めます。ラグビーボールの形をした実を年間10~40個ほど生産します。
カカオの樹は、高温多湿の熱帯地域でのみ生育し、その栽培適地は「カカオベルト」と呼ばれる北緯20度から南緯20度までの限られた地域に集中しています。カカオベルトは主に中南米、西アフリカ、東南アジアです。
参照: 明治「チョコレートの基礎知識」
今回紹介するのは東南アジア、タイのカカオ。タイでカカオが取れるイメージはあまりないかもしれませんが、タイ北部ではカカオ農家さんが増えています。そんなタイのカカオ農家さんから教わったプロセスを以下紹介していきます!
Step1. カカオの実を収穫

木に実ったカカオの実を収穫します。しっかりと熟した実を選ぶことが大切です。
カカオは幹に直接花が咲き、その後に実がなります。実が成熟するまでには約5ヵ月かかります。

花がつぼみになり、

つぼみが大きくなり、実になっていきます。熟成すると、実は黄色や赤色に変わっていきます。

Step2. 実を開け、カカオ豆を取り出す
実を開いて、中の種子(カカオ豆)を取り出します。

カカオ豆は、そのまま食べることができます。種の周りには白い果肉が付いており、甘酸っぱい美味しさがあります。マンゴスチンを彷彿とさせる味だと個人的には感じました。
そして生のカカオ豆も食べることができるんです。色はなんと紫色。

最初は甘さが広がるのですが、嚙み続けているとカカオの苦みが出てきます。
その後、カカオ豆を1つずつ手で取り出します。

Step3. 発酵
取り出したカカオ豆を発酵させます。

発酵の長さは約7日間。ほのかに酸っぱい香りがするものの、不快な臭いはありません。
カカオにおける発酵は、種の中に含まれる酵素の活性を誘導し、化学反応を引き起こすことで、チョコレートの香りのもとになる物質を生成し、苦味・渋みを和らげる効果があります。
「発酵」は、カカオの持つ香りのポテンシャルを最大限に引き出すための、重要な工程なのです(出所:ショコラナビ)
Step4. 乾燥
発酵したカカオ豆を3日から7日間乾燥させます。

乾燥期間は季節や天候によって異なります。乾季で晴天が続いた時は3日間、雨季で雨が続いた場合は7日間ほど掛かります。
Step5. 焙煎

カカオビーンズを焙煎して、風味をさらに引き立てます。焙煎の方法は鍋で炒る方法と、オーブンを使う方法がありますが、簡単で均一に焼くことができるためこちらの農家さんはオーブンで焼くことが多いとのことです。

Step6. 粉砕
焙煎したカカオ豆を粉砕し、カカオニブ(カカオ豆を砕いたもの)を作ります。以下の機械を使って、まずは豆を砕きます。

最初の粉砕が終わったカカオ豆がこちら↓です。大きい粒はピックアップして再度粉砕します。粉砕後のカカオ豆を”カカオニブ”と言い、とても健康に良いです。
カカオニブとは、カカオ豆を発酵、乾燥、焙煎した後に皮を取り除き、小さく砕いたものです。チョコレートの原料として知られており、栄養価が高く、ポリフェノールやミネラルを豊富に含んでいます。ビターな味わいが特徴で、スナックや料理のトッピング、スムージーの材料など、様々な食品に加えて楽しことができます。
スーパーフード「カカオニブ」とは? Dandelion Chocolate

フードプロセッサーを使ってさらに細かく粉砕していきます。

Step7. コンチング
チョコレートを作るため、粉砕を終えたカカオニブをすりつぶしてなめらかにしていきます。なめらかにする作業はコンチングと呼ばれます。

このプロセスは72時間ほど続けて行われ、チョコレートの風味を均一にします。気温が低い日はカカオの脂分が固まってしまうため、ドライヤーで温めて溶かすこともあります。
コンチングを終えて、カカオニブがペースト状になったものをカカオマスと言います。カカオマスは、いわゆる”カカオ分100%”の状態です。
Step8. 型に流し込み、完成
コンチングされたカカオマスを型に流し込み、固めます。私たちが良く目にするチョコレートの完成です!!!

また、カカオマスを圧搾すると、👇写真右側のココアパウダーと左側カカオバターへ別れます。カカオバターに砂糖やイチゴ風味を入れることによって、ホワイトチョコレートやストロベリーチョコレートとが出来上がります。

以上、カカオ豆からチョコレートができるプロセスを紹介させていただきました。
私は毎日食べるほどチョコレートが大好きなのですが、そのチョコレートがここまで手をかけて、苦労して作られているとは恥ずかしながら知りませんでした。
私が体験したチョコレートの旅をみなさんにも味わってほしい、さらにはこのチョコレートを作られているリス族のリージャ―一家の想いを肌で感じてほしいと思い、「リス族の暮らし体験!カカオの秘密とタイ山岳民族の文化体験ツアー」を企画しております。
詳細は以下記事から!(現在一般公開に向け準備中でございます)
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